【転職おしえて!シリーズ】35歳転職限界説って聞くけど本当ですか?
2025年4月15日

こんな質問が届いていました!
35歳を過ぎてからの転職は難しいとよく聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか?「35歳転職限界説」は現在の労働市場でも当てはまるのでしょうか?特に未経験の職種や業界への転職について、どの程度可能性があるのか知りたいです。アドバイスをお願いします。
「35歳を過ぎてからの転職は厳しい」とよく聞きますが、実際のところはどうでしょうか?
結論から言えば、現在の労働市場では「35歳転職限界説」は過去のものになりつつあります。コロナ禍以降の働き方の見直しや、人材不足・ビジネスモデルの変革が進む中、多くの企業が30代後半~40代以降の採用を積極的に進めています。
ただし、「年齢にかかわらず転職しやすくなったからこそ、求められるスキルやマインドも変化している」という点には留意したいところです。本記事では、最新の転職市場の実態、未経験分野への転職の可否、さらに「ライフデザイン」や「アンラーニング」など近年注目されているキーワードを交えながら解説します。
1. 35歳転職限界説は崩壊? その背景とは
人材不足・既存事業の短命化で“壁”が消失
- 少子高齢化や技術革新に伴う構造的な人材不足から、企業の約8割が採用計画を満たせていないという調査結果もあり、年齢の枠を超えて即戦力人材を求める動きが加速しています。
- さらに、既存事業の短命化が進むことで、企業は新規事業やビジネスモデルの転換を積極的に推進しています。30代後半~40代の中堅・シニア層が持つ「業界を超えた知見」「マネジメント経験」「プロジェクト推進力」は、そうした変革期の企業にとって大きな武器になり得るため、歳を理由に採用を狭めるよりも、スキルや経験を最優先する傾向が強まっています。
コロナ禍で働く個人のキャリア観も変化
- A社の調査では、「コロナ禍で将来のキャリアを見つめ直した」人が半数以上という結果もあり、転職市場での動きが30代以降にも広がっています。
- 「今の会社の方向性に不安を感じた」「やりがいのある仕事に挑戦したい」など前向きな理由で転職を考えるケースが増え、企業にとっても経験豊富な人材を確保するチャンスとなっています。
2. 年齢よりも重視される「経験・スキル」とは
変革推進力・マネジメント力・アンラーニング
- 35歳以上で転職を成功させるカギの一つが、「変革を推進する力」です。新規事業や組織の拡大などで必要とされる、課題設定~実行までをリードできるプロジェクトマネジメント力、柔軟に周囲を巻き込むコミュニケーション力が重視されます。
- 「拡大期」の組織づくりを担えるマネジメント力も注目されています。たとえば、ベンチャー企業が数十人規模から数百人規模へ拡大する局面では、チームや業務プロセスを整備しながら質を担保できるリーダーが必要。30代~40代のマネジメント経験者が活躍しやすい領域です。
- また、自身の成功体験・手法に固執せず、「過去のやり方を一度学びほぐす(アンラーニング)姿勢」が重要という声も多く聞かれます。業界や環境が変わると、従来の手法がそのまま活きるわけではありません。経験を活かしつつ、新しい価値観に柔軟に適応する意識が求められています。
ポータブルスキルとライフデザイン
- 業種・職種の垣根を超える際に欠かせないのが、「ポータブルスキル」です。具体的にはプロジェクト管理、課題発見・解決、チームビルディングやコミュニケーションなど、どの業界に行っても活用できる汎用的な能力を指します。
- さらに最近では、キャリアデザインと同時に「ライフデザイン」を意識することも推奨されています。自分が「どんな人生を送りたいか」「ありたい姿(Being)は何か」という問いかけを大切にしながら、強み(Knowing)を把握し、実践(Doing)を繰り返すことで、新たな自分(Becoming)を発見できる可能性が広がるでしょう。
3. 未経験の職種や業界への転職はどれくらい可能?
未経験分野への転職は一見ハードルが高そうですが、実は30代後半~40代以上でも実現例は増えています。企業が欲しているのは「未経験でも柔軟に動ける人」「これまでの経験から得た強みを他の分野で活かせる人」。
- 実務で培った汎用的スキルやマネジメント経験をアピールできれば、業界・職種が異なっても採用される可能性は十分にあります。
- とはいえ、20~30代前半と比較すると「育成コスト」や「組織とのカルチャーフィット」を企業が慎重に見ることは事実です。
- 特に40代を過ぎると、管理職候補やスペシャリストとしてのポジションを期待されやすくなるため、「自分が転職後にどう貢献できるか」を具体的に示す必要があります。
4. 年齢別の転職成功実績は? 何歳まで転職できるのか
総務省の調査(2021年度)では、35歳~44歳で55万人、45歳~54歳で52万人が転職に成功しているというデータがあります。55歳以上でも年間42万人以上が転職を果たしており、特定の年齢以降は転職が不可能になるわけではありません。
公務員試験など例外も
ただし、公務員試験のように年齢制限が明確に定められている職種・ポジションも一部存在します。公務員を目指すなら、早めの行動が必要です。
5. 女性が転職できる年齢は?
女性は妊娠・出産などライフステージの変化が大きいため、「男性より不利では?」と心配する方も多いでしょう。しかし、同じく総務省の調査によれば、女性も男性とほぼ同じ年代で転職に成功しています。
- 企業側も多様な人材を確保するため、育児支援制度や柔軟な働き方の導入を進める傾向があります。男女問わず「即戦力として、または将来的に組織を支える人材としてどう活躍してもらえるか」を重視する時代になっているのです。
6. 転職を成功させるためのポイント
1)転職理由を“前向き”に整理
企業側は「長く活躍してくれるか」「キャリアビジョンが明確か」を見ています。
- 「今の職場の方向性に不安を感じた」だけでなく、「この領域で○○を実現したい」「自分の○○を活かせる」といったポジティブな展望があると好印象です。
2)“貢献イメージ”を具体的に示す
採用担当が欲しいのは、自社の課題を解決し、成果を出してくれる人材。
- これまでの実績や経験はもちろん、新しい会社・業界でどう貢献できるかを具体的にストーリー化して伝えましょう。
3)副業などで試してみる
未経験の分野にいきなり飛び込むのが不安な場合、副業を通じて新しいスキルや業界を試してみる手もあります。テレワークが普及し、地方企業やベンチャーにオンラインで関わる事例も増えています。
4)アンラーニングと柔軟な姿勢
前述のとおり、過去のやり方・固定観念を一度手放し、新しい手法を受け入れる柔軟性はどの業界でも高く評価されます。多様な人と協働し、変化への適応力を発揮できるかが勝負の分かれ目になるでしょう。
7. まとめ:転職は何歳まででも可能。大切なのは「準備」と「意欲」
現代では、「35歳転職限界説」や「〇〇歳までしか転職できない」という考え方はほぼ当てはまりません。
- 企業の人材ニーズが幅広い年代を求めるようになっていること
- 多くの人がコロナ禍を機にキャリアを見直し、年齢問わず転職に踏み出している実例が増えていること
これらの要素から、何歳からでも転職は可能だと言えるでしょう。
ただし、年齢を重ねるほど企業からは「マネジメント経験」「課題解決力」「変革推進力」など高いレベルの専門性や柔軟性が期待されます。自分の強み・ポータブルスキルを改めて棚卸しし、「どんな価値を提供できるか」をイメージさせる準備が重要です。
もし「実際どう行動すればいいかわからない」「未経験だけど興味がある分野に挑戦したい」という方は、副業や学習によってスキルを補強したり、客観的なアドバイスを受けたりしながら計画的に進めるのがおすすめです。年齢に縛られず、キャリアもライフデザインも前向きに築いていきましょう。
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